個人年金保険とは?節税効果、メリット・デメリットを解説!人気の確定拠出型年金(iDeCo)も紹介

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公的年金の支給額は生活するのに十分なのかな..」と不安を感じている人もいるでしょう。生命保険文化センターによると、老後の生活費の平均額は23.8万円なのに対して、年金を含めた実収入は204,587円です。何も対策しなければ、毎月赤字が出てしまうため貯金を切り崩して生活することになります。

どうにかして対策したくても、具体的な方法が分からなかったり、私的保険の種類や特徴を理解できなかったりする人もいるでしょう。

そこで今回は、

  • 個人年金保険とは
  • 個人年金保険の種類
  • 個人年金保険に加入するメリット・デメリット
  • 個人年金保険以外の私的年金

を順番に解説していきます。

この記事を読めば、個人年金保険の基本的な内容とメリット・デメリットを理解した上で、老後の生活費を用意する方法を検討できるようになります。

ぜひ、最後までチェックしてみてください。

個人年金保険とはどんな保険?受け取れる年金に種類がある?

早速、個人年金保険の基本的なポイントを解説していきます。個人年金保険で受け取る年金は全部で5種類あるので、ひとつずつ特徴を押さえながら見ていきましょう。

個人年金保険とは、年金で足りない分の老後の生活費を賄う私的年金

個人年金保険とは、公的年金や企業年金などとはまったく別の保険商品です。私的年金の一種で、将来必要になる老後の生活費を考えて自分で年金を用意するための民間の年金型保険とも言えます。

個人年金保険は公的年金などと同様に、所定の保険料を保険会社に支払う必要があります。払込保険料を年金原資として、老後の生活費を積み立てていく仕組みです。保険料の払込期間や保険料の金額などは契約時にある程度自分で決められます。受取時期も自分で選択できるのも個人年金保険の特徴です。受取期間は契約する個人年金保険によって違いがあり、5年や10年などの一定期間の場合もありますし、一生涯にわたって年金を受け取れる場合もあります。

公的年金などだけでは、赤字になる世帯がほとんどです。そのため、貯金を崩しながら生計を立てていくことになります。公的年金そのものへの不安感が募る中、頼りにできるのが個人年金保険です。公的年金や企業年金だけでは老後の生活費が心許ない人や国民年金保険の第1号被保険者(自営業者、漁業・農業者など)などに、特におすすめの保険商品と言えるでしょう。

個人年金保険で受け取れる年金に種類がある

個人年金保険は受取期間によって、5種類に分けられます。具体的には次の通りです。

  • 確定年金
  • 終身年金
  • 有期年金
  • 変額個人年金
  • 外貨建て変額個人年金

以上5種類の年金について、それぞれのポイントを詳しく紹介していきます。

【確定年金】

確定年金はあらかじめ決められた期間内なら被保険者の生死に関わらず、年金が受け取れるタイプの個人年金保険です。期間中に被保険者が死亡したときは、一時金形式か年金形式のどちらかで遺族が残金を受け取ることになります。払い込んだ保険料がまるまる無駄になることがない個人年金保険です。

【終身年金】

終身年金は被保険者が生きていれば、一生涯にわたって年金を受け取れる個人年金保険です。被保険者が死亡した場合は、年金の支払いが停止されます。したがって、早い段階で日保険者が死亡すると返戻率が低くなったり、元本割れを引き起したりするリスクがあるのです。

終身年金には、保証期間付終身年金と呼ばれる個人年金保険もあります。保証期間が付くと、期間内は被保険者の生死に関わらず年金を受け取れる仕組みが終身年金の特徴に追加されます。

【有期年金】

有期年金は被保険者が生存している場合に定められた期間、年金が支払われる個人年金保険です。年金を受け取っている間に被保険者が死亡した時点で、年金の支払いが終わる特徴があります。払込保険料や年金原資からすでに受け取った年金を差し引いた場合の残金は、一時金形式で支払われる仕組みのものが一般的です。

終身年金と同様に保証期間付有期年金も販売されています。保証期間中であれば被保険者の生死に関係なく、年金が支払われる仕組みです。

【変額個人年金】

変額個人年金は契約時点で年金受取額が確定していないタイプの個人年金保険です。年金の受取開始時期までに保険会社が資金を運用し、その実績を元に年金額が決まります。運用実績によっては元本割れをするリスクがありますが、その分、リターンを期待できる点が変額個人年金の特徴です。また、解約時の払い戻し金の最低保証金額が設定されていないことが多いです。

変額個人年金を利用する場合は、商品の仕組みやリスクをきちんと理解する必要があります。

【外貨建て変額個人年金保険】

外貨建て変額個人年金保険は、米ドルなどの外貨で運用をする個人年金保険です。先に紹介した変額個人年金保険よりも高いリターンが期待でき、インフレや円安に備えた資金形成も可能です。ただし、為替や運用の状況によっては大きく元本割れする可能性があり、為替手数料などの運用コストがかかるデメリットもあるので注意が必要です。

個人年金保険のメリット!返戻率(利率)が高い?

個人年金保険に加入するとさまざまなメリットがあります。特に大きなメリットがあるものを3つ紹介するので、しっかり内容を見ていきましょう。

貯蓄が苦手な人でも積立がしやすい

個人年金保険の保険料は登録した口座から自動で引き落とされるため、貯蓄が苦手な人でも将来の資金形成がしやすいメリットがあります。「それなら定期預金でいい」と考える人がいるかもしれません。しかし、個人年金保険は定期預金よりも手続きが難しいため解約しづらい特徴があります。したがって、個人年金保険に加入すれば自分ではなかなか貯蓄ができない人でも、老後に必要なお金を継続的に貯めやすくなるのです。

個人年金保険料控除が受けられる

個人年金保険の保険料は、年末調整や確定申告で所得控除ができます。保険料控除が行われると、住民税や所得税の課税対象金額が少なくなるので結果的に節税につながるのです。

また、生命保険料控除とは別に個人年金控除が受けられるのも大きなメリットです。生命保険だけでなく、個人年金保険も合わせて加入することで節税額も大きくなります。

ただし、すべての個人年金保険が保険料控除の対象になるわけではありません。具体的には次の条件をすべて満たしていて、「個人年金保険料税制適格特約」を付帯している個人年金保険に限られます。

  • 保険料の払込期間が10年以上
  • 被保険者と年金受取人が同一
  • 年金受取人が契約者か配偶者のいずれか

なお、個人年金保険の種類が確定年金か有期年金である場合は、上記に加えて次の2つの条件を満たさなければ個人年金保険料控除が適用されません。

  • 年金の受取期間が10年以上
  • 年金の受取開始が60歳以降

控除額の計算方法は、個人年金保険の契約時期や年間の払込保険料等によって違いがあります。具体的には2011年12月31日以前は旧制度の計算方法、それ以降に個人年金保険を契約した場合は新制度の計算方法が適用されます。今回は新制度の個人年金保険料控除の計算方法をチェックしておきましょう。

年間の払込保険料等 控除額の計算方法
2万円以下 払込保険料等と同じ金額
2万円超4万円以下 払込保険料等÷2+1万円
4万円超8万円以下 払込保険料等÷4+2万円
8万円超 一律4万円

返戻率が高い

返戻率とは、払込保険料に対して受け取れる年金額の割合を表したものです。具体的には次の計算式で返戻率が計算されます。

受取年金の総額(受取期間×年金額)÷支払保険料の総額×100

個人年金保険は貯蓄性が高い特徴がある保険商品なので、返戻率が100%を上回る場合がほとんどです。返戻率が高いと、効率良く老後の資産を形成できるメリットがあります。

ただし、変額年金や終身年金などの個人年金保険は、あらかじめ年金額が確定していないので返戻率の計算はできません。確定年金や有期年金などであれば返戻率が確認できるので、加入する個人年金保険を比較するひとつの指標として使うといいでしょう。返戻率を元に将来のシミュレーションをするのもおすすめです。

個人年金保険のデメリット!受け取る年金に税金がかかることも?

個人年金保険に加入するとメリットだけでなく、デメリットもあります。デメリットもきちんと確認して納得した状態で個人年金保険の契約をすることが大切です。

途中で解約すると元本割れしてしまうことも

個人年金保険は途中解約をするタイミングによっては、元本割れをして金銭的に損をする可能性があります。

解約時に払い戻される解約返戻金の金額は、契約期間などを元に計算されます。個人年金保険はあくまでも長期の運用を前提に契約する保険なので、あまりに契約期間が短いと払込保険料よりも解約返戻金が少なくなるのです。特に、個人年金保険を契約してから3年以内は、解約返戻金が払込保険料の半分以下になる場合もあるので注意が必要です。

個人年金保険の契約期間中に、急な入用でお金を用意しなければいけないケースもあるでしょう。そのため、家計の余剰資金を考えて個人年金保険の契約をすることが大切です。「個人年金保険は基本的に払い出しができないもの」と認識することをおすすめします。

インフレに弱い

定額の個人年金保険に加入した場合は、インフレに柔軟に対応できません。

インフレとは物価が上がってお金の価値が下がることで、一般的に景気が良くなると発生します。例えば、インフレによって物価が1.5倍になった場合、手元にあるお金も1.5倍にならなければ割に合いません。しかし、定額の個人年金保険は金利が固定されているため、どれだけ物価が上がっても将来受け取れるお金は変わらないのです。

インフレに対応しながら老後の生活費を形成したい場合は、変額個人年金や外貨建て変額個人年金に加入する方法があります。先に説明した通り、いずれもリスクがある個人年金保険ですが、メリットもあるのでよく検討することをおすすめします。

受け取る年金に税金が課されることもある

個人年金保険の受取方法や契約内容によっては、年金を受け取るときに税金が発生する可能性があります。

例えば、個人年金保険の契約者と受取人が同一で、受取方法が年金形式の場合は雑所得(所得税)の課税対象です。雑所得が発生した年の他の所得と合わせて、総合課税方式で納付する税金額が決定されます。

ただし、受け取った年金の全額が課税対象になるわけではありません。保険会社に払い込んだ保険料は必要経費として認められるため、受取年金額から必要経費を差し引いた金額に対して雑所得が課税されます。

受取年金額-必要経費=雑所得の課税対象額

なお、必要経費の計算式は以下の通りです。

年金年額×(払込保険料の合計÷年金の総支給見込額)

個人年金保険以外の私的年金でも老後の備えができる!話題のiDeCoも紹介

最後に、個人年金保険以外に公的年金の補てんができる私的年金を紹介します。今回はiDeCo(確定拠出年金)、積立年金、国民年金基金の3つを解説します。

確定拠出年金(iDeCo)とは?

確定拠出型年金(iDeCo)を利用して、年金積立をする方法が人気を集めています。個人年金保険と同様に、公的年金の受給額に上乗せして老後の生活資金を用意できるのです。

確定拠出型年金(iDeCo)と個人年金保険の大きな違いとしては、属性によって掛け金の上限額が決められているかどうかにあります。例えば、確定拠出型年金(iDeCo)の場合、月額の掛け金の上限額は会社員であれば1.2~2.3万円、自営業者や学生は6.8万円です。一方、個人年金保険の掛け金は原則、掛け金の上限額自体、設定されていません。

ただし、確定拠出型年金(iDeCo)の掛け金は全額所得控除の対象になります。先に紹介した個人年金保険は所得税、住民税ともに上限が設定されているのです。

確定拠出型年金(iDeCo)は自分で金融商品や証券会社を選んで運用していくので、初心者には難しく感じるかもしれません。加入するときは、さまざまな金融商品を比較してベストな証券会社を選択することが大切です。

積立定期とは?

積立定期とは、郵便局(ゆうちょ)や銀行などの金融機関の口座を利用してお金を貯められる積立式の定期預金のことです。毎月口座から自動で積立て額が引き落とされて、積立定期に振り替えられる仕組みです。金融機関によっては、積立年金定期が用意されていることもあります。

積立期間は積立定期の種類にもよりますが、6ヶ月~10年までの期間から選択するのが一般的です。毎月の積立金額は契約者が事由に設定できるため、無理なく貯金したい人に向いています。

さらに、個人年金保険にはない元本保証があり、途中解約も比較的スムーズにできます。

しかし、個人年金保険よりも利回りが低い商品が多く、長期にわたる資産形成ができない積立定期が多いです。

国民年金基金制度とは?

国民年金基金制度とは、国民年金の第1号被保険者であるフリーランスや自営業者などが加入できる制度です。

第2号被保険者である会社員は国民年金にプラスして、厚生年金や企業年金に加入します。国民年金しか加入しない第1号被保険者は、第2号被保険者と比較すると公的年金の支給額が少なくなります。この差を埋める制度が国民年金基金です。

国民年金基金は掛け金の全額が所得控除の対象になり、口数を加入者が自分で決定できます。ただし、掛け金は性別や加入時の年齢、給付形式などの条件によって決められるので、自由に選択できないため注意が必要です。

なお、国民年金の第3号被保険者(専業主婦)は国民年金基金に加入できません。

まとめ:平均寿命が延びている今、個人年金保険を老後の備えに!

個人年金保険の基本的なポイントや加入するメリット・デメリットを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事のポイントは、

  • 個人年金保険は、自分で老後の生活費を準備できる私的年金
  • 個人年金保険は受取期間の違いによって5種類に分けられる
  • 返戻率が高く、節税効果がある点が個人年金保険のメリット
  • 場合によっては受取時に税金がかかったり、元本割れしたりするデメリットがある
  • 個人年金保険以外にも老後に備えられる私的年金がある

でした。

高齢社会問題や平均余命の延伸などによって、今後公的年金の支給額が少なくなる可能性もあります。

今回の記事や人気の私的年金ランキングなどを参考に、できるだけ早く老後に必要な生活費を準備することをおすすめします。

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