子供の学費は成長するにつれてかかるため、効率的に貯めて将来に備えたいですよね。
学費を貯めるために真っ先に思いつくのが「学資保険」ではないでしょうか?
やはり、学資と名称があると、そのために備えができると安心感を持ちます。
しかし、学費を効率的に貯められる保険は「学資保険」だけではありません。
返戻率が高いため学資保険の役割を担え、契約者の万が一にも備えられる保険として、「低解約返戻金型保険」というものがあります。
そこで、この記事では低解約返戻金型保険メリットやデメリットの他におすすめの活用方法についてもご紹介します。
ぜひ最後まで、ご覧ください。
低解約返戻金型保険とは?通常の終身保険や定期保険とは何が違う?
将来に必要な学費が効率的に貯められる保険の一つである、低解約返戻金型保険とはどんな保険なのか気になりますよね。
契約者が万が一の状況になってしまったときの保障が充実しつつ、貯蓄型の学資保険のように返戻率が高いため貯蓄も期待できるのが低解約返戻金型保険の特徴です。
ただし、貯蓄性の高い保険とは言え、活用の仕方次第では元本割れを起こし損をしてしまうことがあるのです。
効率的にお金が貯められるように、メリットとデメリットを把握して上手く活用していきましょう。
保険用語は聞き慣れないものが多く、「低解約返戻金型保険」と文字だけを見ててもいまいちイメージが掴みにくいものです。
低解約返戻金型保険は終身保険と定期保険の2つに分けられ、特徴の違いを表にしました。
まずは、おおまかな特徴を知っておきましょう。
保障期間 | 解約返戻金 | 保険料 | |
低解約返戻金型終身保険 | 一生涯 | あり ※解約時期によっては少ない |
終身保険よりは安い |
終身保険 | 一生涯 | あり | 高い |
低解約返戻金型定期保険 | 所定の期間 | あり ※解約時期によっては少ない |
低解約返戻金型終身保険よりは安い |
定期保険 | 所定の期間 | なし ※あってもごくわずか |
安い |
低解約返戻金型終身保険とは?通常の終身保険との違いは?
継続している限りは一生涯保障がある保険が終身保険です。
もし、急な出費でどうしてもお金が必要になった時には解約すると、所定の解約返戻金が受け取れます。
終身保険の解約返戻金は、長期の契約であるほど返戻率が高くなります。
一方で、低解約返戻金型終身保険の解約返戻金に大きく影響を与えるのは、保険料払込期間中であるかどうかです。
解約返戻金が通常の終身保険に劣らない利率となるのは保険料払込期間後なので、解約をする場合、このタイミングが狙い目です。
解約するタイミングにより元本割れとなるため、低解約返戻金型終身保険は終身保険よりお得な保険料となっています。
低解約返戻金型定期保険とは?通常の定期保険との違いは?
定期保険の保障は10年や15年など、決められた期間があり、契約途中の解約では解約返戻金がまったくないかあってもごくわずかです。
一方で低解約返戻金型定期保険は、解約時に解約返戻金が受け取れる保険です。
ただし、低解約返戻金型定期保険は、解約返戻金をよりお得にするために解約のタイミングがとても重要です。
保険料払込が終われば低解約返戻金型終身保険の返戻率は大幅にアップします。
また、上がった返戻率は下がることなく、継続している限り少しずつですが高くなります。
しかし、低解約返戻金型の定期保険と終身保険では大きく異なる点があります。
保険料払込終了後から数年経つと、返戻率は下がってしまうことを知っておきましょう。
解約返戻金をなるべく多めに受け取るには契約時に返戻率が最も高くなる時期を確認して、お得なタイミングでの解約がおすすめです。
低解約返戻金型終身保険のメリットは?
「低解約返戻金型終身保険」が、なぜ学資保険の代わりとして活用できる保険として注目されているのか気になりますよね。
メリットを知って、学資保険以外の選択肢を増やしておきましょう。
低解約返戻金型終身保険のメリット➀終身の死亡保障がある
「低解約返戻金型終身保険」は、終身の保障がある点が一番大きいメリットと言えます。
保険に加入すると必ず保険金が受け取れるので、万が一のときには金銭面で大きな支えになりますよね。
長生きしても若い年齢でなくなったとしても、死亡後には葬儀費用や残された家族の今後の生活などお金はなくてはならない物です。
一方、定期保険によくあるタイプの掛け捨て型では、保険金が受け取れるのは保障期間内に死亡した場合です。
そのため、万が一のことが発生したタイミングが保障期間後のときに、保険金が受け取れない恐れが考えられます。
また、保障の継続を希望する場合は、所定の期間が経過後の契約更新が必要です。
低解約返戻金型終身保険なら、更新手続きなしで一生涯に渡っての保障が付いています。
やはり、終身の死亡保障がある保険は万が一に備えられので安心できますね。
低解約返戻金型終身保険のメリット②通常の終身保険よりも保険料が割安
終身保険は保険料が高いため、何年も契約し続けるのは家計を圧迫してしまうものです。
保険料のみに着目し、低解約返戻金型終身保険と終身保険と比較すると、低解約返戻金型の方が安いのでコストパフォーマンスの良い点がメリットになります。
ただし、解約返戻金が少ない時期があるというデメリットが低解約返戻金型終身保険にはあるので注意してください。
解約返戻金を低く抑えた期間に解約が発生した場合、保険会社が解約者に支払うお金は一般的な終身保険より少なくて済みますよね。
このように、保険会社の支払いリスクを減らしているため、低解約返戻金型終身保険は効率的に一生涯保障が得られます。
終身保険は月々の保険料が高いため、加入後に継続が可能なのかをよく検討しなくては、契約しづらいものです。
しかし、低解約返戻金型終身保険は保険料だけを見てみると終身保険よりも割安であるため加入へのハードルが低いので、ぜひ検討してみてくださいね。
一生涯保障の安心感がある保険は、保険料が家計の負担にならないものを選びましょう。
低解約返戻金型終身保険のメリット③解約するリスクが減り、確実に積立できる
低解約返戻金型終身保険を途中で解約すると少ない金額しか受け取れないため、損はしたくないという心理的なストッパーが働き、確実に積立ができます。
大きく元本割れを起こしてしまっては、払い込んだ保険料が無駄になってしまいますよね。
お金が必要だからこそ解約返戻金を当てにしているのに、その金額が期待できないなら、簡単に解約をしようとは思わないものです。
将来に必要な資金をきちんと準備しておきたい方にとって、短期間で解約してしまっては元本割れを起こす低解約返戻金型終身保険は貯蓄が継続して続けられる保険と言えます。
低解約返戻金型終身保険のデメリットは?
安い保険料で終身の保障がある嬉しいメリットがある低解約返戻金型終身保険には、残念ながらデメリットもあります。
メリットとデメリットのどちらも把握した上で、加入を検討してみてくださいね。
低解約返戻金型終身保険のデメリット➀解約返戻金が少ない
子供の進学や何かお金が必要になったときには、足りない分を補うために解約返戻金を目当てにしてしまいがちです。
終身保険では、解約返戻金の利率は契約期間の長さに応じて定められているため、保険料払込期間が長いほどもらえる金額が多いと見込めますね。
しかし、低解約返戻金型終身保険では、解約返戻金が低く抑えられ期待できるほどもらえない時期があるので注意しましょう。
解約返戻金について、保険料払込期間中に解約した場合の目安をまとめてみました
保険の種類 | 保険料払込中の解約返戻金の額 |
終身保険 | 所定の金額 |
低解約返戻金型終身保険 | 一般的な終身保険の70%程度 |
低解約返戻金型終身保険の解約返戻金は終身保険の7割程度しか受け取れず損をしてしまうため、長期間の契約を予定していない方には、低解約返戻金型終身保険はおすすめできません。
低解約返戻金型終身保険のデメリット②保険の見直しが困難
保険を契約してから年数が経つと家族が増えたり家を購入したりと家計が変化していくものです。
保険内容をその時に応じた保障にするには保険のこまめな見直しが重要ですが、低解約返戻金型終身保険は、見直しが困難な保険です。
解約のタイミングがとても大切であるため、短期間での解約には向きません。
家族構成や収入の変化など将来の変化を予測した上で、契約をするようにしましょう。
保険料の払込が厳しくならないような金額にしたり、短期間で保険料を払い込んだりすることで、見直しが困難であるデメリットに対応できます。
今後の保険の見直しをする可能性に対応するためにも、保険料の払込期間が長期間の契約はできるだけ避けるのがおすすめです。
ただし、返戻率だけに着目して保険料の払込期間を短くしすぎると保険料が増えてしまうので注意しましょう。
家計の負担になっていないか、保険料の支払いは継続的にできるかをよく確認してくださいね。
低解約返戻金型終身保険のデメリット③インフレに弱い
一生涯保障が魅力の終身保険には更新がなく、契約時から保険料が上がりません。
また、将来にもらえる保険金額を契約時に決めるため、必ずその設定した額がもらえる安心感がありますよね。
しかし、その安心感もデメリットになってしまうことを知っておきましょう。
そのデメリットとは、インフレで金利が上昇したときに高い利益が得られない可能性のことです。
今後インフレで物価が上昇たときに、契約した額以上の保険金を受け取ることはありません。
お金の価値が変化しても契約時の金額しかもらえないため、インフレが進んだ経済状況では損をしていることが考えられます。
金利が上昇したときには、別の保険に加入し直しをすることでインフレに対応が可能です。
学資保険の代わりにも?低解約返戻金型終身保険の活用方法を紹介
低解約返戻金型終身保険には、メリットである割安の保険料や終身の保障といった点を活かしたおすすめの活用方法が4つもあります。
ぜひ、加入を検討してみてくださいね。
学資保険の代わりとして教育費準備に
低解約返戻金型終身保険は、教育費準備として学資保険の代わりに使うこともできます。
保険料払込期間を10年~15年程度にすると、子供の大学入学前に保険料を払い終えられますよね。
では、教育費準備に使う際のメリットやデメリット、注意点について詳しく見ていきましょう。
学資保険の代わりに利用するメリット
学資保険では契約者や被保険者の年齢制限があり、年齢によっては加入を諦めなければいけません。
低解約返戻金型終身保険は年齢制限が厳しくないので、祖父母が孫のために契約することができます。
また、低解約返戻金型終身保険では、契約者が万が一のときには保険金がもらえるのも魅力の一つですね。
学資保険の保障の一つに、契約者が万が一の時には養育年金がもらえるプランはありますが、保険金は出ません。
毎年一定金額の支給よりも一度にまとまったお金がもらえた方が生活の支えになりますよね。
満期年齢が定められている学資保険では、保障期間に限りがあるものです。
しかし、低解約返戻金型終身保険は保障が一生涯続ので、保障期間に限りはありません。
返戻率は契約から年数を経過するにつれて高くなるため、貯蓄が続けられますね。
学資保険よりも高い返戻率ならさらにお得に教育資金が準備できますね。
学資保険の代わりに利用するデメリット
メリットだけでなくデメリットもご紹介します。
保険料だけで保険を判断してしまわないように、保険料払込期間も含めて自分が備えたい保障ができる低解約返戻金型終身保険であるかを加入前によく確認してくださいね。
低解約返戻金型終身保険は契約内容次第で、返戻率が期待できない場合があることを知っておきましょう。
返戻率は保険金額や保険料払込期間によってお得になったり元本割れしたりと、変動する場合があるので、注意が必要です。
また、健康告知義務のある低解約返戻金型終身保険では、契約者の健康状態によっては加入ができないこともあります。
ただし、加入ができるか不安だからといって、健康状態を故意に隠すのは止めましょう。
万が一、健康告知を正しくしていないことが発覚した場合に、告知義務違反として契約が解除されてしまう恐れがあります。
学資保険の代わりに利用する際の注意点
低解約返戻金型終身保険は注意すべきポイントさえ押さえておくと、学資保険としても活用できます。
低解約返戻金型終身保険は保険料払込期間中の解約返戻金はとても低い設定されており、返戻率が100%を超えるには保険料を払い終えていなければいけません。
そのため、払い込んだ保険料以上の解約返戻金が、必要な時期に受け取れる保険料払込期間かどうかを確認しましょう。
また、損をしないためにも返戻率をしっかりチェックしてくださいね。
返戻率は保険料払込終了後になると、保険料払込期間中に解約した時に比べて大きく上がります。
必要な学費に備えられるだけの返戻率なのかを契約前にチェックが大切です。
その他にも、保険料払込免除特約などの特約を付けるかどうか確認しましょう。
保険料払込免除特約とは、契約者が所定の状態になったときに保険料の払込が不要と特約で、学資保険にもあります。
特約を付けることが可能な低解約返戻金型終身保険もありますが、保険料が上がってしまいます。
保障と返戻率のバランスを見て特約を付けるか検討してくださいね。
葬儀費用の準備に
低解約返戻金型終身保険は、葬儀費用の準備として活用することもできます。
葬儀やお墓の購入など、万が一のことが起きた後には何かとお金が必要です。
低解約返戻金型終身保険は、契約者が死亡時に保険金が受け取れる一生涯保障があるため、葬儀費用の準備として利用できます。
葬儀費用の準備を事前にしていなければ、残された家族にとっては金銭面で大きな負担です。
低解約返戻金型終身保険を活用して、家族への負担を少しでも軽くしましょう。
万が一のときに必要な金額が賄えるような保険金額を設定すれば、どのタイミングで何が起きてもお金の心配が要りませんね。
相続税対策に
低解約返戻金型終身保険は相続税対策としても活用できます。
葬儀費用のことを生前に家族とはなかなか相談しにくいですが、相続についても話題にしづらいですよね。
しかし、事前に対策として低解約返戻金型終身保険に加入しておくと節税ができるのでぜひ加入を検討してみましょう。
相続税対策になる理由
資産を相続するときに、所定の金額が控除されます。
相続税は資産から控除された金額にかかることを知っておきましょう。
控除の金額は「3,000万円+600万円×法定相続人」となっています。
また、これとは別に生命保険金等の非課税枠があります。
受け取った死亡保険金は「500万円×法定相続人」の金額までは相続税がかかりません。
資産をそのまま預貯金として残しておいては課税対象となってしまう場合、その分を保険料として払い込んでおけば非課税対象となるのです。
相続税対策としての活用例
どれくらい節税効果があるのか気になりますよね。
低解約返戻金型終身保険の加入することで、どれくらい相続税対策ができるのか比較してみました。
<相続の例>
相続財産:1億2,000万円
相続人:妻、子供2人
相続額:妻6,000万円、子供各3,000万円
基礎控除金額:4,800万円
配偶者控除:1億6,000万円まで
低解約返戻金型終身保険加入なし
課税対象:7,200万円
相続税額 | 妻 | 0万円 |
子1 | 240万円 | |
子2 | 240万円 | |
相続税総額 | 480万円 |
低解約返戻金型終身保険加入あり
保険金額:1,500万円
課税対象:5,700万円
相続税額 | 妻 | 0円 |
子1 | 約170万円 | |
子2 | 約170万円 | |
相続税総額 | 約350万円 |
この表から、低解約返戻金型終身保険の加入で事前に対策をしておくと、約130万円もの相続税が節税できることがわかりますね。
非課税枠を増やすためにも、低解約返戻金型終身保険を有効活用していきましょう。
老後資金の準備に
60代で定年退職後は収入が大きく減ってしまうため、老後資金の準備もしておかなくてはいけません。
低解約返戻金型終身保険は老後の備えとしてもおすすめの活用方法の一つです。
定年を迎える頃に保険料を払い終えてお金が必要な時期に解約すれば、老後の備えとして保険を活用できます。
60歳前後に保険料を払い込めるプランの低解約返戻金型終身保険の返戻率を確認してみましょう。
<契約内容>
保険会社:オリックス生命
保険名:低解約払戻金型終身保険ライズ
契約者:30歳 男性
保険金額:300万円
保険料払込期間 | 55歳 | 60歳 | 65歳 |
月額保険料 | 7,914円 | 6,669円 | 5,802円 |
払込保険料金額 | 2,374,200円 | 2,400,840円 | 2,436,840円 |
保険料払込終了直後の解約返戻金 | 2,511,030円 | 2,581,110円 | 2,649,960円 |
返戻率 | 105.7% | 107.5% | 108.7% |
保険料払込期間が過ぎれば、返戻率は105%を超えるため受け取れる解約返戻金の金額に期待できます。
お金が必要になる時期まで契約し続けていれば、返戻率は少しずつ上がります。
そのため、必要な時期に解約する頃には、解約返戻金がさらに増額されているのです。
まとめ:低解約返戻金型保険、特に終身保険は様々な活用法がある!
- 解約は保険料払込期間終了後にする
- 一定期間の解約返戻金が少ないため保険料が安い
- 学資保険の代わりや老後資金の準備など活用方法が多い
- 契約前には保険料払込期間や返戻率を要確認
低解約返戻金型終身保険は、学資保険でなくても学費の備えができる保険の一つです。
学資保険は年齢制限が厳しいため、加入を諦めてしまうことがあります。
しかし、低解約返戻金型終身保険は学資保険ほど年齢制限が厳しく設定されていません。
学資保険の加入を諦めてしまった方や高い返戻率で効率よく貯蓄ができ保険料が割安の保険をお探しの方は、低解約返戻金型終身保険をぜひ検討してみてくださいね。
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